イベントの詳細はこちら
https://www.facebook.com/events/1256135954490441/?ti=as
なぜ、このイベントをやるのか?
人・モノ・場所・知恵における新たな流れ
今、世界規模で、人や企業が持つ能力や知恵、技術、モノ、場所などとの接し方が変わってきています。
例えば、日本でも話題になりつつある「民泊」。自宅の使ってない部屋を旅行者に貸すというもの。いわゆる日本に昔から民宿に通ずるものがありますが、家一軒をまるごと貸したり、ホスト役の人が不在であるなどこれまで経験したことのない体験だと話題になっています。
家や車などの資産は所有者が独占するものが当たり前。そんな固定観念が打ち破られつつあるのです。このように遊休資産を活用するケースとして、日中車が止められていない駐車場や店舗の軒先、もしくは使っていない自動車をまるごと貸し出すこともあります。
遊休資産を貸し出すことで手数料という収入が生まれますが、貸し出す側はそれだけを求めているのではありません。駐車場をシェアすることで、そこに留めにきてくれる人との交流が生まれる。車を貸し出すことで、その車種への思いを語り合える。そんな心の交流が生まれているのです。
こうした助け合いの連鎖は、プラットフォーム事業者によってより力を増します。アメリカを筆頭に、渋滞を走る車を「相乗り」させる取り組みが拡大しています。普段一人で走行する渋滞地点を、同じ方法に向かおうとする第三者と乗りあって進むのです。中国のあるシェア自転車事業は、たった2年ほどで数百万台の自転車を共有し、社会の有り様を大幅に変えました。それまで車の渋滞がひどく、ゆっくりディナーも楽しめない町が、朝まで灯が消えない町になりました。
栃木の「仕組み」を変えるべき理由
栃木県を見てみるとどうでしょうか。交通課題は何十年も解消できていません。インバウンド観光で脚光を浴びるものの、道路も駐車場も一杯で、自由に移動するのが困難な状況です。不足傾向にある宿は今後旅行者が増えるに連れさらに不足すると考えられていますが、抜本的な解決策はありません。
ところが、見方を変えれば、多くの車が4人乗りなのに1〜2人で乗車していたり、目抜き通りに空き家が放置されていたり、大きな一軒家で2人暮らしをしていたり、観光シーズンで休業している会社の駐車場がまるまる空いていたりと遊休スペースがゴロゴロしているのを目の当たりにします。
もしこれらの遊休資産を活用できたら何が変わるでしょうか? 安全に楽しく相乗りができたら渋滞は減るでしょうし、満員のバスで何十分も我慢することも減ると思います。空き家を1日単位で貸し出すことができれば「お店をやってみようかな?」という人も出てくるでしょう。空いている部屋を外国人旅行者に貸し出しして国際交流を実践するなんてこともできます。休日で誰もいない会社の駐車場に車を止められたら、ゆっくり観光できるようになるかもしれません。
家や部屋、駐車場を所有している人は「他人に使わせるなんてとんでもない!」と思う人が多いでしょう。高いお金で手に入れた資産に気軽に手を触れてもらいたくない、などと思う人もいるかもしれません。放置しているにもかかわらず。です。
今、世界規模到来する「仕組み」の波は、こうした心の壁を乗り越えることで本来の姿が見えてきます。遊休資産を活用して利益を得るだけでなく、困っている人や助けを求めている人へ手を差し伸べることで新たな市場価値を生み出し、社会全体の流れを生む契機をもたらすのです。
この流れを掴むには「心の交流」が不可欠です。かつて日本で、隣近所で醤油などを融通しあったように、移動手段や宿、知恵や技術を共有する気概を得ることで、今後直面する人口減少やグローバリゼーションを乗り越えるようになる可能性で生まれるのです。
最初の一歩を踏み出す「仕組み」
こうした社会的・経済的潮流は、はじめの一歩を踏み出した人によってもたらされます。
前述のような新経済網を「シェアリングエコノミー」といいますが、この個人間連鎖のサービス網を拡大するにしても一緒に行動する仲間や資金が必要です。
取り組みがうまくいくか判断する材料も必要ですが、そこで再び「クラウドファンディング」とい新たな仕組みが登場しています。「何かをやりたい」という思いに共感する消費者を集め、資金を調達することができる仕組みです。大量の労力や資金を投入してフルスイングするのではなく、まずはアイディアを世に問い、その反響をみながら事業を展開するというものです。
クラウドファンディングは、サービスはもちろん、製品・お店・作品・イベントなどありとあらゆるアイディアに適用可能です。もし資金が得られなくても損失はありません。企業内プロジェクトでも個人でもグループでも、リスク無く新たなチャレンジができる時代になったのです。
スマホ普及→人とモノと場所の新たな関係性の時代
こうした発想が世界的に普及した理由はスマートフォンとインターネット通信環境の普及に他なりません。個人の居場所や属性が特定できるようになり、決済もできる。フリマアプリで個人の所有物を売買することが手軽にできるようになったように、自分の家や車、駐車場を貸し出すことができるようになったということです。
だからといって、遊休資産をシェアすれば誰もがうまくいくわけではありません。駐車場ニーズがあるエリアでなければ、駐車場シェアをしてもなかなか使われないでしょう。いや、意外と何もないと思っていた場所でも「ここに駐車場があって助かったよ!」という人が現れるかもしれません。
そうした需要を分析して効率よくチャンスを得るためのもう一つの仕組みが「ビッグデータ(活用)」です。
国民の過半数近くが使うスマートフォンにはさまざまなセンサーが内蔵されており、そこから作成されるデータなどを分析することで「どこから来た人が、どこを経由して、どこに向かったか」など手軽に分かるようになっています。もちろんこういったセンサーは、スマートフォンのみならず、店舗の来店人数、交通量、駐車台数、日照時間といった減少の計測などにも応用できるようになっています。
また、地方自治体も積極的に統計データを公開するようになっており、そういった膨大なデータを組み合わせることで、人とモノ・場所、サービスなどとの新たな関係を構築できるチャンスが生まれているのです。
とちぎを変える「仕組み」サミット
今回のイベント「とちぎを変える「仕組み」サミット」では何を知り得ることができるのか?
はっきりと申し上げられることは、これらの仕組みを取り入れる人が増え、線や面になることで、目に見える形で人の流れや遊休資産の活用にプラスに働くことがわかるようになるということです。
行きにくかった場所にいきやすくなり、借り手のない部屋から収益が発生したり、地元の人が住むエリアに宿代わりに泊まれたり、人の流れが生まれ、新しい取り組みをする人が増えるようになります。人口減少してもそれぞれの人が持つ資産や知恵、力を切り売りして束ねることで、今までできなかったことができるようになるのです。
こうした既成概念を打ち破る「心の交流」です。
すでに「シェアリングエコノミー」を活用してきた人たちからは、しばしば「安くて便利というよりも、交流が楽しい」という声が聞かれます。これまで出会うことなどない人たちが交流し、新たな経済網を構築する。時には、近所の人以上に深い交流をする。核家族化した日本における新たな家族のような存在となり得るかもしれません。すでに世界では、こうした新しい「仕組み」を理解する人同士のネットワークが急速に拡大しています。
このイベントでは、こうしたまだ見ぬあらたな仕組み像を解き明かすと共に、共に栃木エリアで「仕組み」を浸透させる事業に取り組む仲間を一堂に集めることに主眼を置いています。そして、日本の他の地方自治体に先駆けて、これらの仕組みを浸透させたいと考えています。