2005年03月30日

本日で・・・

 2カ月にわたったPetDoc強化月間を終了させていただきます。健康そうには見えても検査してみないと判らないことはたくさんあります。今回のPetDocでも、私自身思わぬ発見をすることができ改めて診察の仕方や検査について考えさせられました。(ただ5歳以下のペットについてはまだまだ必要はないかと思います。相当不摂生をさせていない限りですが・・・)
 今回のような試みはまた秋にでも実施したいと思っております。今回PetDocを受けることができなかった方も、HomePage上でお知らせいたしますので日頃見逃しがちな健康checkとしてお受けになってみてください。

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2005年03月29日

カビの検査

kabi-baiti 皮膚病にはいろいろな原因がありますが、その一つにカビが原因による皮膚病があります。“皮膚糸状菌症”といいますが、これを臨床症状のみで判断することはなかなか難しく診断を確定するには“真菌培養”を行うのが間違いないかと思います。(写真は左側が培養前の培地、右側が真菌が培養されている培地です)
 “これはまさかカビによるものではないだろう。”と思っていてもカビによるもので治療が長引いてしまうこともあります。カビによる皮膚病が疑われたなら、お薬をもらうだけでなく真菌培養の検査も同時にしてもらうことが大切ですよ!

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2005年03月27日

ちょっと強烈・・・

 昨日のEntryの中に摘出した卵巣と子宮を載せてみたのですが、やはり一般の方には刺激が強すぎますよね。Entryする写真はその都度考えながらどうするかを決めるのですが、やはり飼い主の皆さんに知って頂きたい、あるいは注意して頂きたいこととなるとちょっと強烈なものもEntryせざる負えないときもあります。なるべく吟味してEntryしていくつもりですのでこれからもよろしくお願いします。
 ところで今日もソーセージをビニールが付いたまま食べてしまった子が来院しました。吐かせることができましたが、詰まってしまったら手術しかありません。飼い主の皆さん、食物を与えるときあるいは与えた後の袋などの処分には気をつけてあげてください。

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2005年03月26日

子宮の膨らみ!

 “そろそろ避妊手術をしましょうか”ということで5歳の女の子の手術を受けたところ、お腹を開いて直ぐに“あれっ、この膨らみは?”と思ってたぐり寄せたところ子宮にできたしこりでした。これといって大きな症状もなく何となく陰部を気にすることが多いくらいで、このしこりを象徴するような症状は見られていませんでした。

coco-spay  女の子の不妊手術というのはやはり“卵巣・子宮全摘出に限る”と思います。もし卵巣しか摘出しない手術だったらこのしこりには気づくことが無かったでしょう。卵巣摘出術は傷も小さく短時間で済ませることができますが、今回のような発見は難しいかも知れません。同じ麻酔をかけるならしっかり取ってしまった方がいいかもしれませんね。

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2005年03月23日

新しい検疫制度

 昨年の11月より狂犬病の国内侵入防止などの目的で、外国から日本への犬などの動物を輸入する際の検疫制度が変更されました。その中でこのHomePageでも取り上げていたマイクロチップの埋め込みが義務付けられました。海外にお住まいの方が日本にペットを連れて帰るとき、あるいは日本から海外に渡航をされる際にはマイクロチップによる個体識別が必要となります。マイクロチップはペットのパスポートの役割を担うようになるようです。これから海外にペットを連れていこうとお考えの方、http://www.maff-aqs.go.jp/をご覧になってみてください。

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2005年03月21日

脊椎疾患

taro 脊椎疾患というと椎間板ヘルニアが1番最初に思い浮かぶ方が多いかと思います。脊椎を患って2ヶ月という雑種のワンちゃんが来院され、通常のレントゲン撮影では一般的なヘルニア所見は認められず、昨日手術を目的とした脊髄造影を行ってみました。通常ですと脊髄神経を圧迫されるのは下方(お腹側)からなのですが、レントゲンをご覧頂けるとお解りになれるかと思いますが脊髄神経は上方(背中側)から圧迫されていました。手術は無事に終わりましたが、これから回復の様子をよく見ていかねばなりません。
 脊椎疾患に出会うたび思うのですが、病変を通常のレントゲンのみで判断することは難しいと痛感します。腰が抜けてレントゲンを撮影してもわからないときは脊髄造影、可能ならMRIを行うことが症状を慢性化させずに回復へと導く第一ステップのような気がします。腰が抜けたら様子を見ずに早めの検査がお勧めですね!
 

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2005年03月18日

病歴について

 最近では転院するというわけではないけれど、ほんとに今のままの治療でよいのかということでセカンドオピニオンを求める患者さんが増えてきました。現在下されている診断名についても大切なのですが、今まで行われていた治療も病気の経緯を捉えるために非常に大切になります。というのも診断に対しての治療の一部が病気に何らかの影響を及ぼしていることがあるからです。
 転院する患者さんの多くは、“これで良いのか?”という気持ちの他、“前の先生に悪いかな?”といった思いがあるようですが、病気を治療して行くにあたっては新しい先生に全てを教えてください。それが少しでも早い治癒への第一歩になるかも知れませんから。

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2005年03月16日

寒暖の差

 我が町、宇都宮は日中非常に暖かい一日でした。ウインタースポーツが好きな私にとってはあまり早く春がきてしまうのは嬉しくないのですが、やはり暖かい日差しに包まれる春はほのぼのとしていいものです。暖かいとはいえまだ3月半ば、ちょっと油断すると猫ではワクチンを打っていてもネコ風邪をひいてしまうことがあります。犬ではいつもと同じものを食べているにもかかわらず嘔吐や下痢を起こしてしまうこともあります。
 このような時期こそペットは体調を壊しがちです。ちょっとした異常を見逃さないよう心がけてあげてくださいね!

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2005年03月15日

ボール大好き!

riki 誰にでもフレンドリーなラブラド−ルは私も個人的に大好きな犬種です。けれどもそんなラブラドールも良く異物を飲み込んでしまうことがあるようです。今日もソフトビニール製のボールを遊びに夢中になるあまり飲み込んでしまったラブラドールが来院されました。(レントゲンでつぶれたボールが確認できました)柔らかいものだったので吐かせることができましたが、固いものや鋭利なものだったら手術になるところでした。
 大型犬に限らず口の中に入りきってしまうおもちゃなどは飲み込んでしまう危険性が非常に高くなります。おもちゃ以外にもガムや蹄でも同じことが起こりうります。ちょっとでも危険かと思われたら、飲み込まれる前に取り上げてしまった方がいいですよ!

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2005年03月14日

症状とレントゲン写真

kikumaru 以前から、腰の痛みによりレーザー治療や鎮痛剤によって治療をしていたバーニーズマウンテンドックが散歩中に腰が抜けたように座り込んで歩かなくなったと言うことで来院されました。症状が確認されたのは3日前からだったので、来院された際には大夫症状も落ち着いていたのですが念のためにレントゲンを撮ってみると以前には確認されていなかった部位(腰椎〜仙椎にかけて)に“変形性脊椎症”を確認することができました。
 必ずしも症状や痛みがレントゲンで認められた異常と一致することばかりではありません。このような状態でも元気に歩いている子もいます。しかしながらレントゲンで何らかの異常が認められたならば、日頃の運動には気をつけてあげた方がいいですよ。

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2005年03月12日

他人のことを言う前に

 医療に関わるものとして、今までの治療がどうだとか、診断がどうだとかというような前の先生(あるいは病院)を否定するようなことを言うことはまずないと思います。治療の方法や診断というものは個人で異なるものですし、その症例(症状)を経験しているか否かでも対応は変わってくるものです。風の噂で他の病院のことを必ず悪いように言う先生がいるいという話を耳にしました。その先生がどれだけ自信があり実力があるのかは判りませんが、もっと自分の足下をよく見るべきなのではないでしょうか!医療に完全・完璧はありませんし得意・不得意もあるはずです。
 このようなことをEntryしていること自体どうかとは思うのですが、医療に関わるということは常に試練であり、新しいものをどんどん取り入れ、他人の意見に耳を貸せる柔軟さが必要なのだと思います。他人のことをどうこう言う前に己をもっと知るべきなのではないでしょうか。

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2005年03月11日

どうして石ができるのか?

 ここのところ当院ではストロバイト尿に遭遇する機会が多いんです。冬場には雄猫のストロバイト尿石による尿閉が来院することは多いのですが、ここのところ出会うストロバイト尿石は犬ばかりです。ペットドックの際に発見するケースがほとんどなのですが、食事には結構気にされている飼い主さんばかりでした。
 尿とは塩分が過飽和の状態で溶液中に存在するため、この塩分が沈殿するために起こると考えられています。ストロバイト尿石・シュウ酸カルシウム尿石・尿酸塩尿石などの尿石形成にはそれぞれの要因がありますが、尿中の塩分濃度・pH・結晶核の存在、さらには細菌感染などによって結石が形成されるようです。原因は様々ですが尿検査は比較的簡単な検査で思わぬ発見をさせてくれるものです。

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2005年03月07日

こわれたものは・・・

 特に交通事故などによる骨折に言えることなのですが、骨が折れるということはその周りの筋肉をはじめとする組織に大きなダメージが加わっています。骨折を治すためにはダメージをうけた組織のほか正常な組織にもメスを入れなければならないこともあります。骨折を治すこと(整形外科)とは、第一の目的として骨の形を整えるということです。そしてもともと備わっていた運動機能に限りなく近づけてあげることを目標としています。一度大きなダメージを受けてしまった機能が、ダメージを受ける前あるいはそれ以上戻ることは非常に難しいのです。
 私の師匠であり、関節外科の名医といわれる永岡勝好先生も患者さんに手術の説明をする際、“機能が70〜80%回復したら良しとしてください!”といっていました。こわれたものは元通りにはなりません。これは骨に限らず内臓にも言えることだと思います。決してこわすことの無いよう、ペットの健康および生活の管理には気を配ってあげてください。

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2005年03月06日

健康診断病に気をつけて!

 テレビで耳にした言葉なのですが、“健康診断病”といったものがあるそうです。これは何らかの検査項目に異常が見つかかり、そのことを気にしすぎることで病気を引き起こしてしまうというものです。人と同様に犬猫も健康診断の1つの指標として血液検査というものを行うのですが、健康そうに見えていても血液検査で引っかかってしまう場合もあります。血液検査には基準値というものがあり、“このくらいの年齢ならこの項目に関してはこのくらいの値であればよいでしょう!”というあくまで平均値的なもので、その数値から著しく逸脱していない限り本当に異常があるかというと“?”ということもあるようです。

 命を扱う仕事に絶対ということはありませんから、何らかの異常が見つかれば本当に異常がないかどうか確認しなければなりません。そのためには何度か病院に足を運んで頂き、さらに進んだ検査も必要になってきます。もしも検査の数値が高く、再検査を指示されたからと行ってあまり気に病まない方がくさだい。それを気にすることでほんとに病気になってしまわないように・・・

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2005年03月05日

手術に必要な人数は・・・

 漫画“ブラックジャック”ではどんな難しい手術でも一人でこなしてしまいますが、例えば雌犬の避妊手術に必要な人数はどの位だと思われますか?理想的なことを言えば、術者に助手さらには麻酔医と3人いれば安全でストレスのない手術が行えるのではないでしょうか?ところが個人病院ではそこまでの人員は稼げないので、1〜2人で行っているのが現状かと思います。ですから少しでも安全に手術を行えるように、人工呼吸装置の付いた麻酔機を用い、生体のわずかな変化も見逃さないために高性能な麻酔モニターを用いなければなりません。(この辺の設備投資がなかなか大変なんです)
 今日、永岡犬猫病院(みなとよこはま動物病院)時代の同期から手術についての相談の電話がありました。今まで数人のスタッフとともにこなしていた手術もいざ一人でやるとなると心細くなるものです。自分もこれから同じ立場に立たされることがあるかと思うのですが、こんな時に助け合える仲間というものを大切にしたいものです。

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2005年03月04日

治癒力を高めるために

 ホメオパシーによる病気の治療があります。ホメオパシーとは“健康体に投与してある症状を引き起こすものは、その症状を取り去るものになりうる”といった考え方による自然療法のことをいうようです。簡単にいうと、風邪をひいているときに布団をかぶってガンガン汗をかき熱を冷ましたりするような、民間療法的なものとお考えになってもらって良いかと思います。

 ホメオパシーというものはバイタルフォースという生命エネルギーが病気を治癒させるに当たり非常に重要なものと位置ずけています。このバイタルフォースを奮い立たせることで病気を治癒へと導いていこうというものですが、何でもかんでもこれだけで治そうというのもどうかと思います。医学が全てのものを治しきることはできませんが、病気を見極めどのような治療法が適しているかを提示することはできるかと思います。
 難治性の病気は何がきっかけで良くなるかわかりません。私たちが行う治療とホメオパシーによる治療の相乗効果があってこそ治していける病気もあるのではないでしょうか!お互いを否定しあうようなことはしたくないものです。

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2005年03月01日

これからの病院は・・・

 大学を卒業し、設備の整った規模の大きな動物病院で修行して独立、個人病院として開業するというのは医療に携わったものとしては1つの夢かもしれません。ここ数年宇都宮でも動物病院が増えてきていますが、東京や神奈川のように何でもござれの総合病院というものはまだない(知らないだけ?)と思います。もちろん専門分野を追求してその分野ならば群を抜いている病院はあるようですが、満足のいく仕事をするとなったら獣医が1人ないし2人ではやはり限界があります。

 宇都宮に戻り3年間、経営面からも診療面からも感じたことは、これからの動物病院は個人が大きな借金をして濃度の薄い病院を作るよりも、信頼できる複数の人間と協力して様々な要望に応えられる病院づくりをすべき時期にきたのではないでしょうか?特徴のない病院が増えていっても私たち獣医師にとっても飼い主の皆さんにとっても何の利益ももたらさないでしょうから・・・。

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