今日は大学の研究室時代の後輩が当院を訪問してくれました。大学時代の同級生や勤務医時代の後輩が訪れてくれることは多かったのですが、研究室の後輩が自分を覚えていてくれたことさらにはわざわざ宇都宮まで足を伸ばしてくれたと言うことは非常にうれしい限りです。同期の仲間でもお互い離れてしまったり、結婚してしまったりということでなかなか顔を合わせる機会が減っている中、本当に久しぶりにも関わらず後輩が尋ねてきてくれることはうれしいものです。先輩・後輩に限らず人の縁というものは大切にしたいものです。
一昔前だと獣医にかかるということは非常に贅沢なことだったようです。地元の栃木県でもちょっと田舎の方にいくと全く獣医にかかったことがないという犬猫にであったことがあります。かといって病気をしなかったのかというとそれなりに病気をしているようなのですが何とか自分の力で治ってしまっているようです。
いくら医療や薬が良くなってもそれを受け入れることができる能力がなければ効果は得られないでしょう。“おかげさまで良くなりました。”といっていただけることはうれしいことなのですが、治療に反応してくれるかくれないかはやはりその子の自己回復能力の有無によると思っています。どんな薬をチョイスするかということは獣医の能力によるでしょうが、あくまで私たちは回復能力の後押しをしてあげるものであり獣医が全てを治しているのだとは思うべきではないのでしょうか?常に慎重にその子の回復能力を引き出せるような方法を考えたいものです。
“えっ!何のこと?”と思われた方も多いのではないでしょうか。ペットショップに行くとカラフルな首輪(あの有名なルイ・ビトンの首輪もあるくらい)があり目移りしてしまいますよね。さて何を注意して欲しいかというとそのサイズと閉め方なんです。診療していると首にただ掛けているような首輪をしている子がいるのですが、このような状態で散歩に行かれることは非常に危険です。前に対しての引っ張りにはこの状態でも対応が出来ても、後ろ方向(後ずさり)に対してはおそらく抜けてしまうでしょう。これがもし交通量の多い道路脇で起きてしまったら・・・。考えるだけでも怖くありませんか?
首輪の目的はある程度ペットの動きをコントロールするためのものであり、ただのアクセサリーではありません。締めすぎると可愛そうだから!という気持ちも分からないでありませんが、散歩の際にはちょっと締めてみてはいかがでしょう。
動物病院で専門科目を立ち上げてやられている病院はまだ多くありませんが、基本は内科が主なものとなります。その内科学、教科書の数も半端ではありませんが1冊の厚さも非常に厚いものがほとんどです。今日も調べものをするために内科学の愛読書(?)をめくってみるとまだまだ経験したことのない病気のことが目に付きます。獣医師免許を取得して丸7年、横浜での勤務医時代に経験したことのないものも、栃木の地元ではごく普通に診られるものであったりと新たに経験することもあります。
獣医の仕事というもの“ここまですれば極めた!”となるには到達点の非常に高い仕事だと思います。そして決しておごることなく1つ1つの症例に当たらねばならないと痛感しました。
猫がトイレに入り排泄行為をしている時は何とも言い難い表情をしています。すんなり排便や排尿が出来ていれば決して唸るようなことはないでしょう。けれどもおしっこが詰まってしまっていたり、宿便量が非常に多く排便することが不可能になるとすごい声を出しながら唸ります。(自分はその姿を見たわけではないのですが)特に巨大結腸症になってしまうと肛門が完全に開いても出すことが出来ないくらいの便の太さになっています。自分も教科書通りの治療や先輩方の意見を参考に治療してきましたが、1番に効果があったのはラキサトーン(毛球除去剤)ではないでしょうか?そんなこともう知っているよ!という方もいらっしゃるかと思いますが、いろいろな内服薬や浣腸剤などで経過をみましたが比較的猫に対してストレスを与えずに投薬できるのも利点ではないでしょうか?
巨大結腸症という病気は完治する病気ではありませんが、病気と上手に付き合うためには少しでもストレスの少ない治療を心懸けたいものです。
噂には聞いていたのですが、避妊や去勢の手術を一般的にはあり得ないような安い値段で手術をしている先生がいるんだそうです。手術費が安いと言うことは飼い主さんにとってはありがたいことではあると思うのですが、ここから先が問題なんです。手術というものは極力無菌的な状態を保って行うもので、術後に感染が起きてしまうと言うことはあってはならないことです。ところがこの破格での手術では術創の感染は当たり前のようです。飼い主さんが傷の異常に気がつきその病院に持っていっても術後のケアーは全く無しとのこと。同じ獣医師免許を持っているものとして恥ずかしい限りです。どうしてこのような先生(?)が存在するのか不思議ですが、安ければ何でも良かろうという時代ではないと思います。このような先生がいる限り、日本の獣医療を盛り上げようと第一線に立つ先生方がいくら頑張っていても私たちは馬鹿にされてしまうのではないでしょうか?獣医側としてもこのような先生を野放しにすべきではないのでしょうが、飼い主さんもこんなに安くても平気なの?という疑問をもってみてください。
みなとよこはま動物病院時代の同期でもあり、大学時代からの同級生の山田一雄先生が横浜に犬猫病院を開院しました。同期の中では一番最後の病院開院となりましたが、立地条件も良く非常にお洒落な病院でした。18日水曜日のお披露目パーティーには永岡先生をはじめ多くの先生方が御祝いに駆けつけてくれました。ただでさえ動物病院の多い横浜での開院は大変だと思いますが、持ち前のガッツと人当たりの良さで乗り越えて欲しいものです。
山田犬猫病院 横浜市旭区さちが丘189-1-102 045-366-7045 うちと一緒で木曜日休診です!
治療って数学みたいなものだと思っています。答えは1つでもそこにたどり着く過程は様々じゃありませんか?“病気を治す”という答えに向かっていろいろな治療法を試していく。外科的治療がよいのか、内科的治療がよいのか、さらには理学療法がよいのか、先生によっても見解が異なることは多々あります。
病気には必ずこの方法がよい!といったものも存在します。けれども同じ病気でも発症する年齢や性別も異なるでしょうし、病気に至る過程も異なるでしょう。以前勤務していたみなとよこはま動物病院では全員でカンファレンスをすることで新たな方針が見えてくることもあります。これらの点でセカンドオピニオンというものは非常に大切だと思います。決しておかかりになられている先生を疑うわけでもなく、純粋に見解や治療方針を聞くことは大切だと思います。またそこから違ったものが見えてくるかもしれませんから・・・。
明日からお盆に入ります。病院もお盆休みが取れるかというとなかなかそうはいかないもので、去年もそうだったのですが休みは取れそうにありません。
さて明日は休診日ですが、13日から16日までの診療時間のことをお知らせいたします。期間中、午前中の診療時間は10:00〜12:00まで、午後の診療は15:00〜18:00までとさせていただきます。(急患にも出来る限り対応させていただきます。)
お盆休みというと飼い主さんもペットもつい浮かれてしまって思わぬ事故に遭ってしまうことがあります。お休み中、お出掛けの際にはお気を付けになってくださいね!
口の利けない犬猫に対しての治療を行う私たちは、飼い主さんに病気のことを良く理解してもらった上で診断に必要な検査、治療を進めていかねばなりません。本人から症状を聞くことができるわけではありませんから常に完璧な治療が出来ているかというとそうとも言えないときもあるでしょう。このようなことを言ってしまうと飼い主さんとしては不安に思われるでしょう。命を預けていただくということは非常に大きな重圧として私たちにのしかかってきます。この仕事に関わっている以上これは当然のことなのですが、過去に何度も経験した症状と同じものでも治療に対しての反応が思わしくなかったりすると“本当にこの方法で良かったのだろうか?”と参考書をひっくり返し、さらには諸先輩方に意見してもらうこともあります。そうしながら私たちは限りなくパーフェクトに近い医療を提供できるように努力していかなければならないと思っています。
私たち獣医は限りなく完璧に近い診断、そして飼い主さんと同じ目線にたった治療を進められるよう頑張っていきたいものです。
ある程度高齢の犬猫だと先生から“少々心臓の音に雑音がありますね。”といわれることがあると思います。特に症状はないけれど“心臓が悪い!”といわれると頭が真っ白になってしまう飼い主さんも少なくないと思います。私たちの立場から言わせていただくと、現在これといった症状がなくても聴診時に雑音が認められれば飼い主さんにその事実をお伝えしなければなりません。それがどの程度のものかはレントゲン検査や心電図検査、さらにはエコー検査と進んでいくことではっきりしたことがお伝えできるようになります。
心臓病というとどうしても薬をいつ始めるか?ということが気になりますが、症状の有無、犬種や年齢によって多少異なりますが“心雑音があるよ!”といわれたならばなるべく早くお薬の投与を始めた方がよいでしょう。心臓の薬もどんどん良いものが出来ています。命ある限り毎日動き続けている心臓、早めにいたわってあげましょう。
飼い主の皆さんは夏バテはいかがでしょうか?私は熱帯夜も続き少々寝不足気味ですが、食欲はなんとか維持することができているでなんとかバテないで頑張らせてもらっています。さてこの暑さのせいで犬猫も水分を摂りすぎ、下痢や嘔吐が増えているといったEntryをしたかと思いますが、それに次いで皮膚のトラブル(耳も含む)も多いようです。この暑さと湿度の関係で皮膚に常在している最近のバランスに支障を来すのか、急性の湿疹や炎症を起こして来院される方が多いようです。
大きなワンちゃんでは河原で水浴びをさせる機会も多いかと思います。河原の水は決してきれいなものばかりではありません。自宅に帰られたらもう一度きれいな水で体を洗ってあげてくださいね。
人間ドックというものがあります。血液検査はもとよりCTやMRI、内視鏡検査など身体の隅々を事細かに検査してくれます。当院でもそこまでは出来ませんがペットドックを行っています。血液検査や尿検査、レントゲン検査から必要があればエコー検査と必要に応じて検査をしていくのですが、その年齢は何歳くらいからが良いのでしょうか?
ヒトと生物学的速度の違う犬猫では、6〜7歳を過ぎたら1年に1回は健康診断を受けた方がよいでしょう。6歳といえばヒトでいうところの40歳、一番脂ののっているときではないでしょうか!けれども以外と病気が発見されやすいのもこのくらいの年齢の時なんです。犬猫の病気が発見されるときというのは、ほとんどのケースで病状がある程度進行しています。生活習慣や犬種によって異なってきますが、6〜7歳を過ぎたら1度ペットドックを受けてみることをお勧めします。
初めて犬猫を飼い始めた方はもとより、ずっと犬猫を飼われている方でも今まで経験したことのないものでは“どうしたら良いのだろう?”と頭を抱えてしまうことがあるかと思います。そんな時は素直に先生に聞いちゃってください。よく“こんな事を聞いたら怒られるかなぁ?”とか“笑われちゃうかもしれない!”といった理由でなかなか聞き出せない方もいるようです。けれどもそんな些細なことが病気の早期発見・治療につながるのです。決して病院の先生は笑ったり、馬鹿にしたりはしません。恥ずかしがらずにどんなことでも聞いてみてくださいね!(まあ、病院を選ぶ基準として値段を聞きまくるようなことはやめて頂きたいものですが・・・)
“なんか生理が終わったのにお乳が張っているんですけど!”という飼い主さんからの電話、診察させていただくとこれが偽妊娠でした。“そんなことあるんですか?”と飼い主さんは不思議そうでしたが比較的多く見られるんです。これは妊娠したときと同じような血液中のホルモン状態が起こることで、さも妊娠したかのような行動や反応がでてしまうのです。偽妊娠は通常2殻週間で症状が治まるため、特に治療することはありません。けれどもお乳が張ることで乳が分泌します。このとき乳腺細胞に炎症を起こすことで乳腺炎になってしまうことがあります。通常乳は白色ですが、黄色〜赤っぽい色のものがでてきていたら要注意です。すぐに病院での診察を受けましょう。