2003年10月31日

3ヶ月・・・

 blog形式のホームページをはじめて今日で3ヶ月になりました。まだホームページをご覧になって来院される患者さんは多くありませんが、これからも飼い主の皆さんにいろいろな情報を提供できるようにがんばっていきます!また私事ですが“日経ネットナビ”という雑誌に掲載されました。是非ご覧になってみてください。

Posted by nomata at 19:31 | コメント (1) | トラックバック

2003年10月29日

特有の病気

 犬でも猫でもそうなのですがその種類に特に見られやすい病気というものがあります。ゴールデンならば股関節形成不全だったり、ヨーキーならば大腿骨頭壊死症だったり、アメリカンショートヘアーだったら伝染性腹膜炎だったりと何かしらの病気になりやすい体質をもっているようです。もちろん必ずこれらの病気が見られるわけではありませんが、飼い主の皆さんが知らないことは多いようです。
 本屋さんに並ぶ“〜の飼い方・育て方”で病気のことに触れているものもありますが、ほとんどのものでは種別による病気のことは書かれていないためペットとして家に迎え、病院に掛かりはじめて病気のことを知らされた方も多いかと思います。病気はもちろん避けて通りたいことですが、“その種類はここに気をつけた方が良い”という情報はもっとあった方がいいのではないかと思いますが皆さんはいかがですか?

Posted by nomata at 18:57 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月28日

点滴のこと

 飼い主さんからすると“点滴をうつと元気になる。”ような気がしますよね。もちろん熱があるときに点滴をうってあげると、熱冷ましのような作用をしてくれるので元気になることもあります。けれども点滴というのは口から食べ物も水も受け付けない場合や、心臓病の治療で強心剤の投与をするためだったり、交通事故による事故後のショック状態を緩和できるようにおこなうもので、すべての症例に行うものではありません。
 実際に点滴に含まれている栄養分はホントにわずかなものであって、口から吸収する栄養分にはとうていおよびません。食べているにもかかわらず“点滴をしてほしい”という患者さんがいましたがやはり点滴に対しての誤解があったみたいです。点滴はあくまで点滴!日頃の食事には絶対かないません。点滴をうたなければいけないような病気にならないよう健康管理には気をつけましょうね。

Posted by nomata at 19:51 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月27日

気管虚脱

scan_31027173822_1.jpg 少々わかりにくいかもしれませんが、これが“気管虚脱”を起こしている犬のレントゲン写真です(つぶれてしまった気管を矢印で示しています)。さてどんな病気かというとつぶれてしまった気管のせいで“ガチョウのような鳴き声をしながら咳き込む”のが初期の症状で、病気がさらに進行してしまった場合は呼吸困難を起こして倒れてしまうこともあります。
 けれどもこの病気は内科療法(飲み薬)によって症状の緩和あるいはコントロールすることができます。短頭種の小型犬では生まれつき気管が弱い子が多いので、もしかしたらこのような症状が見られるかもしれませんが、相当重症な気管虚脱でもない限り命に関わることはないのであせらずおかかりの病院に相談してみてくださいね。

Posted by nomata at 18:04 | コメント (6) | トラックバック

2003年10月26日

治療のタイミング

 先週の土曜日手術をした犬が今朝退院しました。結構大きくお腹を開いたにもかかわらず、およそ1週間でもと通りに元気な姿を飼い主さんと自分に見せてくれました。“あのまま内科治療で様子を見ていたらまだ退院できなかったかもしれない”と思ったとき、治療のタイミング(見極め)は大切だなと痛感しました。
 基本的には獣医医療は“後手の治療”です。病院に入院したときからの治療は“ゼロ”からのスタートではなく“マイナス”からのスタートであることがほとんどです。獣医さんからの治療法の提案は一番良いであろうというものを提示していると思います。もちろんそれを選ぶか選ばないかは飼い主さんです。治療のタイミングを逃さないように獣医さんと相談しながら治療を進めていきましょう!

Posted by nomata at 18:56 | コメント (2) | トラックバック

2003年10月25日

薬の飲ませ方

 病院で薬を処方してもらうときに、“1日~回飲ませてください。”と言われると思うのですが皆さんはちゃんと守っていますか?薬の種類によっては効果が出なかったり出過ぎてしまったりと、様々な問題が生じてくることがあります。これはそれぞれの薬に有効な効果時間(あるいは半減期)というものがありその時間の関係によって1日に飲ませる回数が変わってくるのです。また、飲み薬は注射と比べると効き始めるまでに時間もかかります。これは食べ物と一緒に消化の過程で体の中に吸収されながら効き始めるからです。薬が効いてこないからと言って30分もしないうちにまた飲ませるようなことはしないでくださいね!

Posted by nomata at 19:17 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月24日

ダックスはご注意!

dx_31024192144_1.jpg このレントゲン写真は“変形性脊椎症”という病気のものです。(矢印の部位が変形を起こし始めているところです)基本的には年をとってから(だいたい7歳過ぎ位)見られるものなのですが5歳くらいでレントゲンを撮ったら偶然にわかってしまう場合もあります。どんな犬種にも見られるものなのですが、最近人気のあるミニチュアダックス(特に太っている)には比較的よく見られる病気なのです。このレントゲンは非常に重度な症例のものなのですが、症状は歩けなくなってしまったり自分で排泄行為ができなくなったりと本人にとっても飼い主にとっても辛いものです。若いうちから太らせてしまうことは内臓にも負担をかけますが足腰にも大きなダメージを与えてしまいます。ダックスをお飼いになっている飼い主の皆さん、太りすぎにはくれぐれもご注意を!

Posted by nomata at 19:42 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月22日

免疫のこと

 よく免疫力といいますが、“免疫”ってなにを意味しているかご存じでしょうか?簡単にいうと“病気にかからないこと”なのですが、病気にかからないためには免疫をつけなければなりません。犬猫は免疫をつけるためにワクチンが必要になってくるのですが、1度もワクチンを打たなくても元気に生活してしまう場合もあります。特に雑種の子は不思議と強い免疫力を持ち合わせているのか、伝染病になったという症例に出会ったことがありません。
 今までワクチンを打つ時期と回数のことを質問されるのですが、まず時期ですがお母さんからもらった免疫(母子免疫)がなくなりかける生後60日前後が良いのではないでしょうか。最近では安全に打てるワクチンが出てきたので生後45日位に打つ場合もありますが、当院では生後60日位をお勧めしています。次に回数ですが各メーカーまちまちなのですが、生後60日位に1回目、そしてその1ヶ月後に2回目、合計2回で充分な免疫力は付くようです。もちろんおかかりになっている先生の使われているワクチンの種類によっては多少の違いがあると思いますので、何回打ったらよいのか先生に質問してみるといいですよ!

Posted by nomata at 19:28 | コメント (4) | トラックバック

2003年10月21日

粉砕骨折!

interlocking.jpg 19日の夜に行った手術は“粉砕骨折”を起こした猫の大腿骨(太股の骨)を治すものでした。やはり交通事故が原因らしいのですが、骨折の破片が全部で6つ(そのうち4つが小さいもの)になっており、どの方法で行うか考えていたのですが“インターロッキングネイル法”というもので行うことにしました。簡単な骨折ならば髄内ピン(骨のなかに金属棒を入れる方法)、あるいは骨プレート(金属の板で骨折部位をネジ留めする方法)のいずれかで行うのですが、まるでパズルのような骨折はこの方法しかないと判断しました。

 大変な手術だったので最近手術の場合は一緒に仕事をする先生と共同で行ったのですが、お互い満足いく結果を得ることができました。一人でできる手術には限界があります。18日の手術も先生に手伝っていただいたのですが、安全で確実な手術を行うには最低でも2人で行わねばならないなと思いました。(T先生、これからもよろしくお願いします)

Posted by nomata at 18:00 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月20日

小さな穴

 18日は食欲不振で元気がない犬の手術をしていました。手術前には様々な検査を行ったのですが原因がはっきりしないため、飼い主さんと相談の上“試験開腹”という形で手術に踏み切りました。超音波検査では“胆嚢炎があるかな?”と思っていたのですが実際に見てみるとそれほどはひどくありませんでした。何かほかの原因があるのではとほかの臓器を探ってみると、子宮に“小さな穴”がありそこから子宮内の分泌物がお腹のなかに漏れて腹膜炎を起こし始めていたのでした。卵巣と子宮を切除してお腹のなかをよく洗浄して手術は無事終えることができました。
 腹膜炎なら血液検査やレントゲン検査、子宮内膜症も超音波検査で事前にわかるものなのですが、今回は変化が見られず開腹してはじめてわかった症例でした。様々な検査は私たちにたくさんのデーターを与えてくれますが、実際眼で見るものにはかなわないものだということを実感した症例でした。

Posted by nomata at 12:18 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月19日

今日も・・・

 これから骨折の手術のため、Entryはお休みさせて頂きます。

Posted by nomata at 18:49 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月18日

これから・・・

 ちょっと大変な手術をする予定なので、今日のblog分は明日にまとめてEntryします。

Posted by nomata at 19:17 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月17日

太りすぎは要注意!

 自分が中学生くらいの頃“What´sマイケル”という猫が主人公の漫画が流行ったような記憶があるのですが皆さんはご存じでしょうか?キジトラで非常に太った猫なのですが、何とも愛嬌のあるキャラクターでした。当院の患者さんにも“What´sマイケル”ばりの猫がいるのですが太っていてかわいいと言っていられるのも若いうちだけなんですよ。人と一緒で太っていれば心臓には負担がかかるし、足腰は弱くなるし・・・。そしてなんと言ってもこわいのが糖尿病です。

 糖尿病というのは膵臓から分泌される“インシュリン”というホルモンの分泌に異常を生じる病気なのですが、なってしまうと厄介な病気です。体重や食事管理でコントロールが取れる場合もありますが、最悪な場合はインシュリンが手放せなくなってしまうこともあります。犬猫はなかなか自分で食生活をコントロールすることができません。与えられただけ食べてしまう子が多いものです。若い頃から太らせないようにしてあげるのが長生きの秘訣ですよ!

Posted by nomata at 20:12 | コメント (1) | トラックバック

2003年10月15日

腎機能不全について

 犬猫の死亡原因で一番にあげられるのがこの“腎機能不全”ではないでしょうか。腎臓は日常の食生活から生じる老廃物を排泄するという重要な働きをしている臓器ですが、これが何らかの原因で機能を失ってしまうことで食欲が無くなったり、嘔吐が続いたり、元気がなくなったりなどの症状が現れます。急性に起こるものでは尿閉(尿が出なくなる状態)があげられますが、尿閉を起こしている原因を除去してあげることで腎機能の回復を望むことができます。ところが慢性のものでは年齢とともに起きてくるものがほとんどで、人が行う人工透析の代わりに継続的に点滴をすることで症状を緩和してあげるという治療が中心になります。
 腎臓の細胞は1度破壊されてしまうと元通りの機能を取り戻すことができません。おしっこの量が少なくなったり、口臭がきつくなったかな?と思われる方は病院で腎臓の検査をしてもらうと良いですよ!

Posted by nomata at 18:56 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月14日

コップの水

 犬猫が病気になって病院に来院されるまでの状態を自分は“コップの水”に例えて説明させていただいています。どういうことかというと、毎日生活を送っていく上でコップのなかに1滴ずつ水が溜まっていくとします。10年近く生活してくると人間で言えば60歳くらいに相当するのですがそのころにはコップの中の水もあふれるかあふれないか位になっている場合もあります。人ではコップの水があふれ出す前に病院へ行くところでしょうし、人間ドックに入った事がある方では何かしら健康に注意を払っていることでしょう。けれども犬猫の場合では多少の無理がきいてしまいますので病院にたどり着くまでにはコップの水はあふれ出し、大洪水を起こしていることがほとんどです。
 皆さん、大切なペットのコップの水があふれ出す前に日頃の健康状態(食欲・排便排尿)をcheck!してあげてくださいね。

Posted by nomata at 21:37 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月13日

パグの5つ子通信!

 本日まるこちゃんの飼い主さんから“赤ちゃん5匹の新しい飼い主さんが見つかりました。”とのご連絡をいただきました。栃木県内にいる子もいれば遠くは愛知県に行った子もいます。それぞれ新しい飼い主さんのもとで元気でやっていってくださいね。一足違いでこのホームページにたどり着いた方、また里親を募集する記事を書くことがあるかもしれないのでcheck!してくださいね。皆様のご協力に感謝します。ありがとうございました!

Posted by nomata at 19:37 | コメント (1) | トラックバック

2003年10月12日

コクシジウム症

scan_31012194343_1.jpg 写真は糞便中にみられたコクシジウムのオーシストというもので、大人になってしまうとこれが原因で何らかの症状を起こしたりすることは少ないのですが、まだ若い時や体の抵抗性が落ち込んでいるときにはひどい下痢や血便の原因の1つになってしまうことがあります。ペットショップから飼ってきたて、あるいは母子免疫が落ちかかってきた犬猫では体内外の抵抗性が下がってしまうことで様々な病気を引き起こしてしまうことがあります。
 新しい飼い主のもとに来たときは少なからずストレスを感じています。吐いたり下痢したりが続くようなら早めに病院で治療を受けてあげてくださいね。
※コクシジウム症は適切な薬を飲ませることで症状は落ち着いてくるので心配はありません。

Posted by nomata at 20:17 | コメント (1) | トラックバック

2003年10月11日

シャンプーについて思うこと。

 皮膚の健康を保つ方法にシャンプーがあります。けれどもきれいにしようとしてあまりにもまめに洗いすぎて皮膚病を引き起こしてしまうことがあります。特に殺菌消毒成分が入っているシャンプーでは、効果も充分期待できますが皮膚のバリアー的役割をしている細菌や油分を奪ってしまうことで皮膚を荒らしてしまうことがあるのです。
 “じゃあどのようにシャンプーしたらよいのか?”これは皮膚の状態により様々ですが、美容を目的としたシャンプーは月に1〜2回くらいで良いのではないでしょうか。もちろんちょっとウェットな皮膚をもっている子では+αが必要になるとは思いますが。皮膚にいる細菌や油分も悪さをするものばかりではありません。洗い過ぎにはくれぐれもご注意を!

Posted by nomata at 20:20 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月10日

里親=ただ?

 パグの5つ子が生まれた記事を何度かEntryさせてもらいましたが、おかげさまで飼い主になってくれる方が見つかり3頭の新しい飼い主さんが見つかりました。新しい飼い主さんのもとで楽しく生活できることを祈っています。
 ところでタイトルにもあるように、里親募集というと“ただ”というイメージがありかもしれませんが決してそうではありません。今回のパグの赤ちゃんにしても生まれるまでの飼い主さんのご苦労(出産前は眠れなかったそうです)、そして里親に出すまでの費用(ワクチン代・食費)を考えれば“ただ”ということはそうそうあり得ないと思うのですがどうでしょうか?特に黒パグの飼い主さんは“できるだけ体調がきちんとしてから里親に出したい。”という思いでお世話されています。命あるものに値段を付けるということに対して様々な意見があると思いますが、里親=だだではないということ、そして1つの尊い命を預かるということの重大さを認識してください。

Posted by nomata at 20:04 | コメント (2) | トラックバック

2003年10月08日

丈夫と思っていても・・

 “うちの子は病気をしたことがないんですよ!”といわれる方がいます。確かに若いうちはちょっとした吐き下し程度で済んでいたことも、年を重ねるに連れなかなか治りにくくなっていきます。“どうして治りにくくなるのか?”というと若い細胞いわゆる“正常細胞の数”が年をとることで減少してしまうからなのです。正常細胞が多い時にはちょっとしたことに対しても順応性が効きますが、年々正常細胞数が減少することで病気に対応する能力が低下してしまうためなんですね。(これを一般的に老化と呼んでいます)
 私事なのですが、私の父(院長)も今まで病気などしたことしたことがなかったのですが、風邪をこじらせてしまい今日から入院することになりました。患者さんには少々ご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願いします。

Posted by nomata at 19:12 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月07日

往診治療では・・

 お電話で“往診治療はお願いできますか?”というお問い合わせがあります。当院でも時間は決まってしまいますが往診をさせてもらっていますが、良くお話を聞いてみると往診治療では対応できそうもない状態のこともあります。そのようなときには来院して頂くことをお勧めするのですが、移動手段が無い場合は大変ですよね。最近ではペットと一緒に病院まで連れてきてくれる“ペットタクシー”のようなものもあり、お車がない方も病院にいらっしゃりやすくなってきました。
 往診でできる治療というものはあくまで“応急手当”だと思ってください。原因をはっきりさせるにはそれなりの検査も必要です。もちろん血液を持ち帰って検査すれば原因はわかりますが、往診時には100%の治療はできません。充分な治療をするためにも、直接病院にお連れになることをお勧めします。

Posted by nomata at 19:46 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月06日

ご苦労様でした!

 9月8日から実習に来ていた学生さんが今日で研修を終えました。約1ヶ月間、院内の清掃や診療の補助をしてもらい大変助かりました。まだまだAHT(動物看護士)としては頼りないところがありましたが、何事も経験を積んでいけばいい仕事ができるようになるでしょう。命を扱う仕事は気を抜くことができません。自分も“また明日からは初心に返り日々診療に励んで行かねば!”と思う一日でした!

Posted by nomata at 20:55 | コメント (2) | トラックバック

2003年10月05日

腫瘍の治療は・・・

 腫瘍の治療をしていてると思うことだが“こんなにしつこく、油断ならない病気はないな!”ということです。特に血液の癌といわれる白血病や皮膚にみられる肥満細胞腫や乳腺癌などある程度の治療方法は確立されてはいるが、完治を宣言できるまでには並々以上の努力が必要となります。その並々以上の努力というものが“外科手術”であったり“抗ガン剤治療”であったり“放射線療法”であったりと治療効果も望めるが何らかの副作用もあり、関わっているものにとっては非常に選択を迷ってしまうこともあります。

 獣医としての立場からは治療することで少しでも楽になればということで様々な治療をすすめますが、治療をすすめていくことで食欲が無くなったり激しい脱毛が起こったりと望まないことも起こってくることは事実です。実際に治療をするかどうかを決めるのは一緒にいる飼い主さんです。
 私の知っている患者さんで、大学病院で足を切断しなければならないと診断された方がいらっしゃいましたが、“最後まで五体満足のままいさせたい”という希望で足を切断せずに最後までがんばった方がいらっしゃいました。辛い時期もありましたが飼い主さんは満足されていました。
 治療することも大切ですが、“この子が本当に求めていること”がわかるのは飼い主さんだけです。どうしても“〜腫瘍”というと治療することで頭が一杯になってしまうかもしれませんが一歩離れたところから全体のことを見てみることも必要かもしれませんよ!がんばっていきましょう!

Posted by nomata at 20:23 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月04日

猫のエイズ

 人と同じように猫の世界にも免疫不全ウイルス(FIV)があります。まだまだこの病気のことについてはわからないことが多いのですが、感染してしまった場合有効な治療法は確立されていませんし、予防ワクチンもまだ開発されていません。このためこの病気からの感染を免れるには感染している猫との接触を避けるしかありません。
 感染の経路としてはケンカによる咬み傷からのものが一番多いため、おもてによく行く猫は病気を持っている猫と接触しているかもしれません。ちょっと不安に思われる方は病院で簡単に検査することができますのでおかかりの病院に尋ねてみるといいですよ!
 もしお飼いになっている猫がエイズにかかっていたとしても、決してすぐに命の危険があるわけではありません。風邪を引かせないように大切に飼ってあげることで寿命を延ばしてあげることも可能です。(もしかしたら近い将来、特効薬が開発されるかもしれないですしね!)

Posted by nomata at 20:06 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月03日

風邪と思っていたら

scan_3103191755_1.jpg 10月に入ってだいぶ朝晩の気温も下がってきましたね。これから寒くなることで徐々に増えてゆく病気が、猫だと猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)や尿閉(おしっこが詰まってしまう病気)、犬だと8歳すぎの小型犬にみられやすい心臓病でしょうか。このレントゲン写真は“僧帽弁閉鎖不全症”という心臓病のものです。この心臓病は初期症状として咳が頻繁にみられるようになり、ちょうどこの寒い時期と重なることで風邪と思われがちなのですが病院にいらっしゃる頃には症状が進行してしまっていることがあります。

 心臓病によくみられる症状は、①咳をよくする ②呼吸が荒いあるいは呼吸困難 ③運動をしたがらなくなった ④食欲が無くなった ⑤よく失神する ⑥四肢がむくむ などが主だったものです。咳が長引いていてなかなか治らないときは病院で心臓の検診を受けてみると早期発見ができ、症状も早く改善させてあげることができるかもしれませんよ!

Posted by nomata at 19:42 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月01日

年をとれば・・・

 食生活や飼育管理の向上で非常に長生きできる犬猫が増えてきました。それに伴って若い動物に対してのワクチンやフィラリア予防、避妊や去勢手術が主立った私たちの仕事も、老齢動物に対しての診察・治療が増えてきています。そのなかでもよくみられる症状として“骨関節炎”というものがあります。これは人の“腰が痛い”とか“膝が痛い”と同じもので、それを見分ける手段としては“以前よりも運動したがらなくなった”と飼い主さんが感じるようでしたらあなたのペットは“骨関節炎”になり始めているかもしれません。
 “骨関節炎”は年齢とともに進行してゆく病気です。完治させることは難しいですが痛みをコントロール(飲み薬やレーザー治療)することで見違えるように行動的になります。太り気味の犬猫で“ちょっと疑わしいかな?”と思われた方は動物病院に相談してみると良いですよ!

Posted by nomata at 19:10 | コメント (0) | トラックバック