2003年08月31日

今日で・・・

 8月も終わりですね。夏らしい夏ではなかったですが、当院では熱射病の患者さんもなく平和な夏を過ごすことができました。blogを使ったホームページを初めて約1ヶ月経ちましたが皆さんに役立つ情報はありましたか?これからも皆さんに役立つような情報を提供できるように真面目な診療を心懸けてゆきたいと思っています。このホームページに対してのご意見や取り上げてほしい事・直接先生に聞きにくい事などがありましたらどんどんメールあるいはコメントしていただければ幸いです。
 明日から9月、気候も安定し始める9〜10月はお医者さんも獣医さんも暇な時期に入ります。こんな時期はいつも忙しい先生も親身に(?)なっていろいろ相談にのってくれるかもしれません。面白い話が聞けるかもしれませんよ!

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2003年08月30日

避妊と去勢のこと

 ペットを飼い始めて初めて手術のことを考えるのは、雄なら去勢・雌なら避妊ですよね。問題なのは時期だと思います。最近ではドッグランやペットカフェなども増えてそれらの施設を利用するにあたりいろいろな制約があるようです。ワクチンを接種していることはもちろん、避妊・去勢も制約しているところもあるようです。まあ発情している雌犬がいたらば周りにいる雄犬は気になって仕方がないはずだし、もしドックランだったら大変なことが起きます。
 獣医さんの立場としても避妊・去勢の時期についての意見ははまちまちだと思いますが・・・

 私が個人的に患者さんにお勧めしている時期は以下のように思っています。
 まず去勢の時期ですが猫では1年過ぎが良いのではないでしょうか?というのも早く去勢してしまうことで体はおとなの体格なのですが、生殖器(ペニス)は去勢した時期の月齢で成長が止まってしまい“尿閉”といって尿が詰まってしまう病気になるなる可能性高くなります。犬では最低6ヶ月以降をおすすめしているのですが、手術後の肥満が一番の問題になると思います。特に大型犬種で股関節形成不全の可能性をもっている場合は去勢はおすすめしていません。
 避妊の時期は猫では6ヶ月以降から手術をお受けしています。自由におもてに行くことが多い子では外で交配してきてしまう可能性が高いので少しでも早く手術してしまったほうが不用意に子供を増やさずに済むからです。犬では“一度発情を済ませてから”とお話ししています。これはあまりに早く手術をしてしまうことでホルモンバランスを崩すこともあり、ホルモン失調性の尿失禁(お漏らし)を起こす場合もあるからです。
 避妊と去勢のことはいろいろな意見・情報がありますので、あくまでも1つの意見として参考にしていただければ幸いです。

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2003年08月29日

食生活について

 “うんちが出ない”の日にも少々コメントさせていただいたのですが、皆さんペットの食事はどうなさっていますか?初めてペットを飼い始めた方は“市販されているペットフードしか食べてはいけない!”と思われている方が多いようですがそんなことはないんですよ。
 確かにペットフードは優れた総合栄養食であり、与えることも非常に楽です。年齢によって必要な栄養分が調整されていたり、少々肥満傾向の子に対してはダイエットがしやすいものもあります。その反面、グルメ指向の食事も増えておりちょっと前までは考えられなかったような病気(贅沢病)も増えつつあります。これらの病気については後日コメントさせていただくことにして、個人的におすすめの食事を紹介しましょう。

 まずはお米。人が毎日のように食べているのですからこれは間違いありません。食欲が落ちているときや,便がゆるくなったとき(もちろん下痢の時もOK)などはお粥にして与えてあげてください。野菜や鶏肉と一緒ににてリゾットのようにしてあげてもGoodです。それともう一つがヨーグルト。下痢をしそうなイメージがあるかもしれませんが、何となく便がゆるい場合や病院で抗生物質を処方されてから便がゆるくなったときなどには有効です。体が熱ぽい時などは酸味を抑えるためにすこし蜂蜜などを混ぜて甘くしてあげると食べやすいですよ。けれども乳製品自体に弱い子は下痢をしてしまうかもしれないので与えるときは注意してください。

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2003年08月27日

うんちが出ない!

dscf0072.jpg 皆さん猫の便秘症(巨大結腸症)をご存じですか?この写真の猫も7歳になってから突然発症しました。先天的なものでない限りほとんどの場合壮齢〜老齢の猫に起こるようです。この子も2〜3日前からうんちをしていなかったようで、食欲も落ち始めたとのことで来院されました。
 最近は美味しそうなキャットフードが多く、飼い主さんも選ぶのが大変ですよね。このような食事は栄養バランスも非常に良いのですが、繊維質不足になりがちでこれが便秘の原因の1つになっているんです。便秘の原因は食生活だけではないのですが、若いうちから食生活を注意しているだけで予防することもできると思います。うちの病院では便秘がちな子にはキャベツやサツマイモ・カボチャ・おからなどをいつもの食事に加えることをおすすめしています。

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2003年08月26日

治療の限界

 病気によってはどんなにがんばって治療してもどうにもならないことがあります。それは年齢のせいだったり、悪性度の強いガンであったり。そんな時ってやはり非常に無力感を感じ、もし次に同じような症例がきたらもっと良い対処法はないかと勉強するものなのですが、治療の限界は以外とその病院や担当の先生が作ってしまっているの限界だったりするんですよね。
 私が勤務医をしているときに言われたことなのですが、“自分の力量だけで預かっている命の限界を決めるな。”ということでした。かといって自分の力量以上のことをして事故を起こすことはもってのほかなのですが、動物医療のレベルも近年非常に高くなってきています。大学病院はもちろん個人の病院でも規模の大きいところは、個人病院では思いもつかないような治療を行っているところもあります。
 

 あなたが、“もっと良い治療法はないのだろうか?”と思われたら正直におかかりの獣医さんに相談してみてください。そこで、“うちの病院ではここまでしかできないけど、この病院ならこんな治療ができるでしょう。”と快く紹介してくてくれる先生は良い先生(勉強している先生)だと思います。あなたの大切な家族の命を託す病院や先生です。ちょっとでも疑問や不安に思ったことはどんどん質問すべきですよ。

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2003年08月25日

続・パグの五つ子

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 23日の午前中、11日に出産したパグの五つ子ちゃんが検診にいらっしゃいました。生まれたときは150gだった体重も450gに増え順調に成長しています。みんな元気に動き回るので少々(でもないか)ピンぼけの写真になってしまいましたが、この子達を飼ってくれる方を募集しています。飼い主さんの希望としてはなるべく近所の方が良いということなのですが、仮に遠くてもメールで写真などを送ってくれる方なら構わないとのこと。皆様のご連絡をお待ちしています。
 ここでお節介かもしれませんが動物を飼うときのアドバイスを・・・。1つの命を預かるわけですから、それなりの心構えを持って世話をしてあげてください。これから生活していくうえで予防ワクチンを打ったり、避妊や去勢の手術をしたり。もし病気になればそれなりにお金もかかります。ペットは飼い主を選べません。この人に飼ってもらえて良かったと思ってもらえるような飼い主さんになってあげてくださいね。

2003年08月23日

動物の専門医

 人の病院は、内科・外科・皮膚科・小児科etc.と非常に診療科目が細分化され、病気の時にはどの病院に行けばいいのか明快ですよね。夕方のニュースなどでも動物病院特集をやっていたりしますが、救急の場面ばかりがクローズアップされ病院の特徴的なものはなかなか取り上げられていませんよね。
 患者さんが本当に知りたいのは、“この病気ならこの病院”といったものではないでしょうか。大学6年間だけでの勉強では専門分野を突き詰めることは非常に難しく、卒業後の代診先の病院や大学院、あるいは独学で勉強によって身につけている先生方が多いのが現状だと思います。首都圏の病院では症例数も多いので“〜専門”という病院が目立ってきましたが、地方の病院ではなかなか単科病院というかたちで経営していくのは難しく専門の道を極めるのは難しいものとなっています。とは言っても我が栃木県にも専門をもたれて開業されている先生が少しずつ増えてきています。

 私も診療科目のところに“整形外科”なんて書いていますが専門医なんていえるものではありません。師匠である永岡勝好先生にも“整形外科をやろうと思ったら費用もかかるし、10年やそこらで上手になるものではない。そしてなんと言っても手術のセンスを磨かなくてはならない。”と言われてきました。この骨折にはこの方法と言うものがあります。けれども器材がなかったり費用的な問題で違った方法で手術しようとすると、必ずと言って良いほど大事故が起きその結果足を失ってしまう事態を招いてしまったりします。けれどもこのような事態は手術法の選択を誤った時点から予測が付いてしまうことなのです。
 自分も小動物臨床医としては7年目の駆け出しです。けれども将来は犬猫の整形外科医として少しでも高い技術を提供できるよう努力していくつもりです。

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2003年08月22日

生みの親、育ての親

 私は高校を卒業して、1年間予備校に通わせてもらい何とか藤沢にある日本大学の獣医学科に入学することができました。6年間不自由な思いをすることなく過ごし、無事に獣医師免許を取ることができたのも当病院の院長である父のおかげです。大学卒業後、獣医師として自分に大きな影響を与えてくれたのは永岡犬猫病院院長(現・みなとよこはま動物病院)である永岡勝好先生でした。
 動物病院といったら自分の家の病院しか知らなかったのですが、永岡犬猫病院に大学在学中に実習に行ったとき“ほんとにここが動物の病院?”が正直な感想でした。とりわけ目を引いたのが手術室の大きさでした。病院の施設もさることながら、院長の動物を救うことに対しての情熱、新しい手技の開発、獣医師としての姿勢、全てにおいて尊敬でき“ここで修行しなければ”と、ほんの数時間で決心しました。
 今でもたまに院長の手術を見学させてもらいに横浜に足を運ぶのですが、バリバリ手術をこなしている姿を見ると“この人にはとてもかなわないな”と思う反面“少しでも近づけるよう努力しなければ”と思う今日この頃です。

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2003年08月21日

手術前には・・・

 昨日はちょっと設備の話になったので、今日は術前検査のことを書いてみたいと思います。術前検査というのは読んで字のごとくなのですが、手術前に行う体内臓器の検査のことです。当院では手術前には左図のような紙面にて検査結果をご説明させていただいています。
 以前に“犬猫の1日”の項目で書いているのですが、犬で10歳といったら人の56歳に相当します。例えば人がこの年齢で手術を受けなくてはならないとき、病院では術前検査として血液検査はもちろん心臓の検査などを行ってから手術に挑むことと思います。人医療では当たり前のように行われていることなのですが動物医療ではどうでしょう。

 以前に避妊手術を希望されて来院した方に術前検査の話をさせていただいたのですが、“検査はいらないから手術費用を安くしてよ!”といわれてしまいました。費用がかかることなので強要はできないのですが、“もし事故が起きたら・・・” いつもは大切な家族のはずなのにこういうときは別物になってしまうのでしょうか。
 術前検査を行っていても不測の事態で事故が起きることがあります。事故を未然に防ぐためには必要で、限りなく安全に麻酔処置を行うためには欠かせないものです。決してお金儲けのためにやっているわけではないことをご理解ください。 

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2003年08月20日

家業を継ぐのも

 大学に通っているときの話なのですが、同級生に“お前は実家が動物病院だから卒業してもいいよな!”といわれたものです。自分も在学中はそう思っていたのですが、現実はそうでもないんですよ!父との年齢は30以上違います。もちろん大学でうけてきた内容も違い、卒業後うけた臨床獣医師としての教育も違います。診断に対しての考え方・治療の進め方、一致するもののほうが少なく、かえって自分で思ったように病院をやっていた方がストレスは少ないと思います(開業するための資金的ストレスは大きいと思うが)。
 homepageに掲載している病院内の設備もここ2年間でそろえたものがほとんどです(結構大変でした)。昔は診療所的な病院で血液検査なんてものはありませんでした。“設備なんてなくても”まあそれでもやっていけた時代ですから良かったのですが、ペットブームとともに病院のあり方も変わってきたのではないかと思います。“治ればいい”だけではなくしっかり診断をつけ治療していくことが大切だとは思いませんか。
 今までの病院の流れを壊さずに新しい方向に向かっていく!なかなか大変です。

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2003年08月19日

いい病院って?

 皆さんにとってどんな病院ですか?僕は大学を卒業してから横浜の病院に勤務していたのですが、地元の栃木に戻ってからいい病院のあり方というものが解らなくなったことがあります。横浜ではスタッフも多く検査機器もそろっていたのでほとんどのことが診断可能でした。もちろん費用もそれなりにかかりはしましたがほとんどの患者さんは満足されていました。
 飼い主さんにとっては“よく見てくれるとこと。 ”そして“早く治るところ。”なおかつ “治療費も安いところ。”ですよね。なかでも飼い主さんにとっては一番最後の条件が大きいですよね。もちろん動物医療にはまだ保険制度が確立していないので料金というのは大きな問題ですよね。けれども新規で開業した獣医さんやどんどん新しい検査機器を取り入れている獣医さんは、それなりに大きな借金を抱えながらも少しでも命を救うのに役立てばという思いのもとに設備投資をしていると思います。病院選びの基準って値段だけではないと思うのですが皆さんはどう思われますか。

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2003年08月17日

暇な一日

 入院していた前庭疾患のワンちゃんが退院し、お盆中お預かりしていたマルチーズがお迎えにいらっしゃって、午後からはしとしとと雨降り。さすがにこの雨の中ではペットを連れてくる方は少なく、“お薬だけください。”という方がほとんどでした。
 勤務医をしていた頃は少々暇だとホッとしていたのですが、病院の経営に携わってくるとまずいなと思ってしまいます。病気が少ないと言うことは獣医師としては(飼い主さんとしても)喜ばしいことなのですが、病院経営ということになると喜んではいられません。少々時間があった方が患者さん一人一人ゆっくり診察できますが、忙しくないと少々不安になる。なかなか獣医師として葛藤があるのですが、これからも総合的な診察・治療ができる病院にできるように“暇な一日”は勉強しなければいけませんね。

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2003年08月16日

獣医さんになるにはVol.3

 “獣医学科が6年もあると専門的な勉強ができ、卒業して獣医さんとしてみなさんにお目にかかるときには腕利きになっているのだろう”と思われている方も多いのではないかと思いますが、動物病院の先生になるには医学生と一緒で我々もどこかの病院でインターンをしていないととても使い物にはなりません。また大学で勉強するのは基礎中の基礎で、国家試験をパスするためのものです。ここで誤解があってはいけないのですが、獣医学科の学生みんなが犬猫の先生になるわけではなく国家公務員や成田空港の税関、JRA、農協など進む道がたくさんあるのです。
 自分は入学時から動物病院を継ぐことを目標としていたので、将来役立ちそうな外科学研究室に所属したのですが、手術時の消毒の作法やマナーなど今でも役立っていることが多いです。今おかかりの先生に所属していた研究室のことを聞いてみると、その病院の得意とする分野や特徴が何となくがわかるかもしれませんよ。

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2003年08月15日

獣医さんになるにはVol.2

 大学の入学試験に晴れて合格すると楽しいキャンパスライフが待っているのですが、入学して3ヶ月位でイメージが違ったなどの理由で退学してしまった人もいました。イメージといったものが個人でそれぞれ違うとは思いますが、自分がやめてしまった人の理由として感じたのは実験動物のことだと思います。実習によっては最終的に使用させてもらった動物を殺処分する事があります。“命を救うために獣医学科に入学してきたのに‥”感極まって泣いてしまう人も居たくらいです。最近では動物愛護の関係で実験動物の使用が制限されてきているのですが、自分は外科の研究室にいたので普通の人から比べると実験動物を最終的に処分する場に多くいたと思いますが、やはりかわいがっていた犬を処分しなければならないときは非常に辛かった思い出があります。
 “卒業してから多くの動物を救うため”なんて言うと聞こえがいいかもしれませんが、今の医学にしても獣医学にしても何らかの犠牲があって現在の医療レベルがあることを理解してください。明日につづく‥

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2003年08月14日

獣医さんになるには

 “動物のお医者さん”という漫画がありますよね。この漫画の影響で最近の獣医学部は女子の人数が男子の人数を上回っているようです。実際、入試の結果など大学の先生に伺ってみると上位からボーダーラインまでほとんどが女子のようで、男子の結果はなかなか思わしくないようです。自分が入学した年もほぼ男女の割合がおなじくらいでした。
 さて獣医さんになりたい学生さん達にお伝えしておきたいのは、まず獣医大学は6年制です。(以外と知らない方が多く、学費も決して安くありませんのでご両親に良くお話ししておいた方がいいですよ)大学によってカリキュラムは違うとは思いますが、1〜2年生までは一般教養がほとんどで、3〜4年生で専門科目の授業が始まります。自分の大学では4年生になるときに研究室に入室し、卒業するまで所属します。5〜6年生で実習を行うといった感じになります。そして6年間の集大成として獣医師国家試験というものがあり、これをパスする事で獣医師としての免許が与えられるんですね。明日につづく‥

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2003年08月13日

狂犬病のこと

 狂犬病というと非常に縁遠い病気のように感じますが、実は日本でも流行の兆しがある病気なんですよ。最近、犬猫以外のエキゾチックペットといわれるものが狂犬病ウイルスを運び込んでいる可能性があるというニュースをご覧になった方もいらっしゃると思います。新聞でも日本に入港するロシア船が守り神としている犬が検疫を受けずに上陸しているとのことで検疫に力を入れているとの記事も掲載されていました。
 実際、日本では1957年以降発生していないのですが国内での狂犬病予防ワクチンの接種率は50%にも満たないのが現状のようで、万が一流行するようなことがあったらお手上げです。狂犬病のように予防第一の病気はしっかりワクチン接種をうけなくてはいけませんね。
 ちなみに狂犬病に感染した際の症状は、恐水症状・呼吸障害といったもので、発症した際の治療法はなく数日で死亡してしまう怖い病気です。

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2003年08月12日

ワクチン接種のこと

 昨日パグの赤ちゃんが生まれたということで、今日はワクチンのことをお話ししたいと思います。このhome pageをご覧になっている方はワクチン接種のほうはお済みかと思いますが、以外とワクチンのことをご存じない方もいらっしゃるようです。というのもワクチンというと狂犬病を予防するものもあれば、犬猫それぞれの伝染病を予防するものもあり飼い主さんもどれを接種すればいいのかわかりませんよね。
 犬では狂犬病予防ワクチンと犬伝染病予防ワクチンがあり、猫では猫伝染病ワクチンがあります。狂犬病予防ワクチンは犬を飼っている場合接種することが義務となっていますが、犬猫それぞれの伝染病予防ワクチンに関しては飼い主さんの任意接種となっています。
 ワクチンを接種しているという効果は目に見えてわかるものではありませんが、お互い動物を飼っているもの同士、病気をうつしあわないための1つのルールとして心懸けたいものですよね。

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2003年08月11日

がんばったね!

1 本日早朝、黒パグのまるこちゃんが自然分娩で5匹の赤ちゃんパグを出産しました。ほんとは明日が出産予定だったのですが、とにかく無事でなによりです。正直獣医としては、パグのような短頭種は頭数が入っていても安全面を考慮して帝王切開を考えていたのですが、最後の1匹だけが逆子だっただけで比較的スムーズに分娩できたのもサイズがすべて150gとそろっていたからなんですね。
 まるこちゃん、今日まで大変だったけど、明日からは子育てがんばってね。
PS.もし、まるこちゃんの赤ちゃんを飼ってみたい!という方がいらっしゃいましたらメールしてくださいね。お待ちしています。

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2003年08月10日

皮膚病の治療

 皮膚病にも急性の湿疹や慢性化したアレルギー性皮膚炎といろいろあるのですが、皮膚病の治療ほど難しく獣医さん泣かせな病気はないと思います。急性のものは比較的治療効果が早く現れるため、飼い主さんも非常に喜んでいただけるのですが、慢性化したものやアレルギー性のものに関しては非常に時間がかかり飼い主さんも心配になりますよね。
 痒みを伴った皮膚病ににステロイドという薬を使うことで症状が劇的に改善することは解っているのですが、長く薬を飲むことで効果よりも副作用が強くでてしまうことがあります。これに対して抗ヒスタミンという薬はステロイドと比べると効果が現れるまでに時間はかかりますが副作用は非常に少なく少々長く使用しても体に対して負担が少ないのです。
 薬の使い方は症状によって異なってくるので、皮膚病の薬を処方してもらうときは獣医さんによく説明してもらうことをおすすめします。

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2003年08月09日

前庭疾患

 “それって一体?”と思われた方もいらっしゃると思いますが、特に夏場で高齢の動物にはよく見られる病気なんですよ。症状としては運動失調や斜頸(頭を傾げた状態)、ひどい場合は嘔吐などが見られることがあります。若い動物でも中耳炎や内耳炎を患っている場合には同じような症状が見られることがあります。
 今年もうちの病院に前庭疾患の犬が入院しました。やはり15歳になるワンちゃんなんですが、眼振といって目が左右に小刻みに動いていて、立っているのが辛いみたいです。
 いつも思うのですが、犬猫の病気だけでもすごい数があるのにさらに鳥やハムスターなどを病気を診ている先生はすごいものだと感心してしまいます。犬猫専門病院としては少しでもレベルも高い診療を皆様にご提供できるようがんばっていきます。

2003年08月08日

昨日の訂正

 昨日のblogで間違いを発見していただきました。“犬は1年で17歳、猫は20歳に・・・”というところなんですが、水曜日の晩は徹夜で木曜日は依頼のあった骨盤骨折の手術と少々寝不足で書いた文章はいけませんね。正しくは犬は最初の1年で17歳になりそれ以降は1年で5歳ずつ年をとります。また猫では最初の1年で20歳になりそれ以降は1年で4歳ずつ年をとっていきます。申し訳ありませんでした。
 水曜日の徹夜の理由なんですが、群馬の患者さんの紹介で足利と本庄児玉の先生と知り合うことができ、意見の交換や相談など本当に時間が経つのを忘れるくらい有意義な時間を過ごすことができました。(帰りの運転は非常につらかったのだが!)
 どうしても近所の獣医さんとはなかなか親睦を深めるというのは難しいもので(仲が悪いわけではありません)、そんななか同じような考え方をもっている先生とのわずかな時間でしたが自分にとってカンフル剤になりますね。

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2003年08月07日

犬猫の1日

 今日は休診日なので犬猫の年齢について書いてみたいと思います。
 みなさんは犬猫がどのくらいの速度で年をとっていくかご存じですか?人間の年齢に換算すると、犬は1年で17歳、猫では20歳になるといわれています。ですから犬猫の1日は人間の約5日分に相当することになります。“3日前から調子が悪かった。”ということは“15日前から調子が悪かった”ということなんですね。
 ここでみなさんにご理解いただきたいことは、これだけ人と犬猫との間に時間の差があるのだから回復するのにも時間がかかるということです。(もちろん若ければ回復も早いですが。)なかなか病気が治らないと飼い主さんも心配になってしますとは思いますが、このようなバックグラウンドあることを覚えておいてくださいね。

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2003年08月06日

続・どこが痛いの?

 昨日どこをさわっても痛がっていたワンちゃん。治療の効果があったのか本日はすこぶる元気になり、昨日の大騒ぎは何だったの?というくらい元気になりました。落ち着いたのでレントゲンを撮ってみると、予想通り頸椎に異常(頸腕症候群)が認められました。
 頸椎の病気は年齢を問わずに起こります。力強い大型犬で首輪のついたリードをガンガン引っ張る子は特に注意してあげてください。もし頸椎を痛めてしまったようならば胴輪に変えてあげるだけでだいぶ楽になりますよ。(もちろん何らかの治療は必要ですが)

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2003年08月05日

どこが痛いの?

 午後の激しい雨があがりかけた頃、どこをさわっても痛がるワンちゃんが来院しました。昨日くらいから何となく動きたがらなかったようです。診察しているとどうも脊椎のどこかを痛めているよう。なるべく動かさない方がいいので、入院しての治療を行うことにしました。
 いつも思うのは、動物の言葉がわかったら・・・ということ。それは飼い主さんも同じことですよね。だからせめて彼らと同じ目線になっての診察を心懸けたいものです。

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2003年08月04日

暑いですね。

夏本番です。宇都宮の最高気温は34℃になったようです。しかし今週末は台風の影響で雨が降るみたいですね。こんな時は人間と同じでペットも体調を壊しがちです。特に外にいる子は熱射病に注意してあげてくださいね。

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2003年08月03日

はじめまして

副院長の野亦久弥です。
今回、blogを使ってのホームページによって病気や治療のことにとどまらず、獣医さんの本音のようなこともどんどん取り上げて行こうと思っています。病院では聞き難いことなど何でもお答えしたいと思っていますので、皆様からのアクセスをお待ちしています。

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